『詮ずるところ、問題の核心は人間の欲望のコントロール』
安部 芳裕氏の「金融のしくみはロスチャイルドがつくった」に比べると
やや荒削りな感じがするが、現在の金融システム、中央銀行の恐るべき実態、また、それを作った人々と反対した人々の歴史という一貫した内容は共通している。
誰がこのシステムをどのように作ったかということは、なるほど興味深い。
しかし、「金融のしくみは?」と併せてこれを読了したときに思ったことは、
誰が作ったにせよ、これは人間の「貪欲」・「支配欲」・「愚かさ」が作ったもの以外の何者でもないということだった。
問題なのは、それが世界を滅ぼすところまできてしまったということだ。
権力欲は人間を魅了し、そのうち、その欲望を抱いたものの生き血を吸い、命を滅ぼす。
カントによれば、「傲慢は阿呆」である。
貪欲は、不幸の根源のもっとも大きな一つである。
こうしたことは、無数の古今東西の賢人が指摘していることである。
であるならば、これらの「欲望」を根底とした金融システムを「共生」のシステムへと変革する鍵は、現代人の精神・生命の変革であろう。
40年前のローマクラブ発刊の「成長の限界」の卓見に今更ながら、驚いているところである。